アキバのつぶやきBlog
2025.01.19
フランスと渋沢栄一
約二十年ぶりに、福沢諭吉翁から一万円札の顔となったは、渋沢栄一翁。偶々、渋沢栄一翁が書いた「論語と算盤」のある方の書評を読んだときに、渋沢栄一という偉人に新鮮な興味が沸き起こりました。「論語と算盤」は、以前に読んだことがありました。その時の感想は、一般的に言われている志を高くもたず、人の生きる道を外すと、事業が失敗する確率が高くなるというものでした。
ところが、読んだ書評は逆からの発想でした。それは、企業が継続して長期の利益を上げるには、道徳的であらねばならないということです。あくまでも、事業を継続するに至って一番大事なことは、長期利益であるという事です。その長期にわたって企業が利益を確保するには、その事業が道徳的であることが必要条件だという事です。
この考え方は、渋沢栄一翁が、自ら生み出したのではなく、元は18世紀から19世紀前半のフランスで発生した政治的教義に基づいた思想のサン=シモン思想が影響しているとの事。サンシモン主義という思想が、ナポレオン三世時代に存在していたなど、この歳になるまで、これっぽちも知りませんでした。
で、新たに渋沢栄一翁について書かれた著書を読んでみますと、まったくもって今まで持っていた印象とは違う人物でした。人生右往左往しながらも、持ち前の頭脳の明瞭さによって、物事の本質をいち早く洞察し、新しい知識を吸収しそれを知恵に振り替えていくところが何とも羨ましい。日本の資本主義の父といわれるゆえんが腑に落ちました。渋沢栄一の考えの根本は、フランスにあったのかと思いますと、人は見聞を広めなければ立身出世の夢は果たせないのだなぁと当たり前ですが、痛感します。
これを機に他の人物伝を読み漁ってみよう。次は「小林一三翁」を読んでみようっと!