アキバのつぶやき

2025.02.15

生命と企業は動的平衡が必要

生物学者なのか、物理学者なのかは定かではございませんが、福岡伸一先生が書かれた動的平衡という著書を昨日の休日読了いたしました。難しい言葉ですが、簡単に言いますと、部分的には絶え間なく変化し動いているのですが、全体から見るとそこには一定の平衡状態(バランス)が保たれているという事です。調和ある世界という事でしょうか。 

実際の生活の中に目を向けますと、この地球も感覚の上には感じることが出来ませんが、自転と公転をして動き続けています。そしてそこに宇宙の調和が存在しています。不思議な世界に生きているのですが、それが当たり前に感じ、ミステリアス感を持つことは少ないです。そして、宇宙のすべてはそのまま永遠に生き続けることはできません。

私たちの日々の活動を考えましても、頑丈に作られた建物であっても、メンテナンスをしても次第に劣化し、放置しておりますと劣化のスピードが増加しやがては崩れてしまいます。デスク周りも、整理整頓した部屋も、時間が経過すれば散らかり、勝手に整理された状態へ戻ることはありません。生命現象も同じく、規則正しく高く活動している状態から、酸化や老廃物の蓄積などによって、活動の秩序を失う方向へと進んでいきます。そして、その秩序が崩壊されたときに、生命の終わりを迎えるのです。ところが、生命は特別なメンテナンスを日々行わずとも、寿命までは生き続けらるようです。

なぜそうなのかは、以下に引用します。
『生物が動的平衡を保つことによって、エントロピー増大の法則と絶えず戦い続け、より長く存続しようとしているからです。法則が生命現象を壊すより先に、わざと自らの一部を壊し、新たなバランスで作り直すことによって崩壊を免れている。「古くなって壊れたから新しいものに入れ替える」のではなく、「まだ新しくても先回りして壊し、新しく作っている」のです。』

このことから、人の生命を企業の存続に置きかえますと、企業のイノベーションと同じ概念です。常に新たらしい取り組みに従事していかなければ永続的に社会に貢献出来ないという事です。企業を法人と言います。ですの企業も人と同じく動的平衡を参考に、社会のエントロピー増大の法則に抗いながら活動していくことが肝という事だと感じたのでした。

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