アキバのつぶやき
2025.10.24
私たちはできる!
アキバのつぶやきをご購読して頂いている皆様、いま私たちが生活している街は変わろうとしています。人口が減り、暮らしが多様化し、家の形も、働き方も変わりました。でも、ひとつだけ変えてはならないものがあります。それは、「この街を、どうしたいのか」という私たちの価値観です。
不動産ビジネスとは、土地や建物を扱う仕事に見えます。けれど、本質は人の人生を支える仕事です。家は商品ではなく、暮らしの器です。街は投資の対象ではなく、未来を託す場所です。
私は、ある古い家を所有しているご婦人が住まわれている、老人ホームの施設を訪ねた日のことを覚えています。80歳を過ぎても、かくしゃくとされているご婦人が、今は亡き夫と、初めて立てた家を、手放す決心を固められていました。「思い出が詰まっているから、ただ売るだけでは悲しいね」と。
その後、私たちはその気持ちに寄り添い、次に住む若い家族との橋渡しをしました。引き渡しの日、ご婦人は最後にもう一度、その家を見に行きますと、ご子息様の車に乗り、決済場所の銀行をあとにされました。
ある書類の確認のために、施設に訪問した時のことです。「本当は、長男に、そして孫に住んでもらいたかった」と。その瞬間、私は気づきました。不動産ビジネスとは、“取引”ではなく、“継承”なのだと。経営・営業とは、“売り上げという数字”ではなく、“物語”なのだと。
どれだけ早く売るか。ではなく、どれだけ深く信頼されるか。どれだけ多く取るか。ではなく、どれだけ残せるか。
変化の時代だからこそ、価値観に従う。売り上げという数字の前に、人の心を見つめる。効率の前に、誠実を貫く。
そして私は信じています。
人の思いをつなぐ不動産会社こそ、この街の未来をつくる力になる。
私たちアキバホームは、街と人の希望を紡ぐことができるのです。
2025.10.23
新首相誕生と、「着眼大局 着手小局」
新しいリーダーの誕生には、いつの時代も「期待」と「不安」が入り混じります。今回、高市新首相の就任も例外ではありません。政策論や人事の是非といった短期的な話題はメディアが扱うでしょうが、経営や組織運営の観点から見れば、注目すべきは「リーダーとしての構え」にあります。
国家運営における「大局」とは、たとえば人口減少・安全保障・技術革新といった長期的な変化の潮流です。これらを見誤ると、いくら小手先の政策を積み重ねても全体は崩れます。一方で、抽象的な理想ばかり語っても、現実の行政や地域の課題は動きません。つまり、リーダーには「遠くを見ながら、足元を整える」という二重の視点が求められるのです。
高市首相はこれまで、強い国家観と現実的な行政手腕を併せ持つ政治家として知られてきました。理想論に傾かず、具体論に逃げず。まさに「大局を見据え、小局に着手する」姿勢が問われる局面です。特に地方経済の再構築や、技術立国としての再定義といったテーマでは、国全体の方向性を描きながら、現場で動く中小企業や自治体に具体的な支援を落とし込むことが鍵になるでしょう。
この「着眼大局、着手小局」という考え方は、私たちビジネスの現場にもそのまま当てはまります。戦略を立てるとき、どうしても「短期の数字」や「手近な課題」に意識が行きがちです。しかし、リーダーに求められるのは、目先の成果よりも「方向性の正しさ」です。そして、方向が正しいなら、日々の小さな改善や試行錯誤が確実に積み上がっていきます。
政治における「国家の舵取り」も、企業における「事業の舵取り」も、求められる資質は意外なほど似ています。大局に目を凝らし、小局に手を動かす。この両輪が噛み合ったときに、組織も社会も前に進むのだと思います。
新しい日本国のリーダー誕生をきっかけに、私たち自身も「自社の大局とは何か」「今日、どの小局に着手するのか」を改めて見つめ直すときではないでしょうか。
2025.10.20
正解を求めるより、良い問いを育てる
お客様と向き合うとき、つい「この物件をどう勧めるか」という視点に立ちがちです。けれども、本当に大切なのは「なぜそのお客様が家を求めているのか」「何を叶えたいと思っているのか」という問いを立てることが大切です。この“なぜ”を掘り下げることができれば、会話の質が一気に変わります。単なる物件紹介が、人生設計の対話へと変わるのです。
例えば、「駅から近い家がいい」と、お客様から言われたとき、それをそのまま条件として受け取るのではなく、「なぜ駅近がいいのか」と尋ねてみる。そこには、通勤の利便性だけでなく、家族との時間を少しでも増やしたいという思いが隠れているかもしれません。その“思い”に触れたとき、私たちは初めて本当の提案ができるようになります。
営業という仕事は、相手の心の中にある“まだ言葉になっていない願い”を引き出す営みです。すなわち、”言語化力”を養うことは、これからの営業パーソンに必要なスキルの一つとなります。そのためには、正解を押しつけるのではなく、良い問いを差し出すことが求められます。問いとは、相手の思考を深めるためのきっかけであり、信頼を築くための最初の一歩でもあるのです。
人生と同じように、住まい選びにも唯一の答えはありません。あるのは、それぞれの人の「納得のかたち」です。その納得にたどり着くために、私たちは答えを語るよりも、問いを重ねるべきなのだと思います。
正解を求める営業から、問いを立てる営業へ。そこにこそ、長く信頼されるプロフェッショナルとしての道があるのではないでしょうか。
2025.10.19
国民総株主と従業員を資本家に
切り替えに際し、面倒な手続きも必要なく、今もトラブルもなく満足はしています。多くあるのはポイントが付与されるサービスが多いのでしょうが、このサービスは利用者に、株式の上場を果たした時に、利用者に株を提供するという事業モデルです。今までにないモデルだと共感したのが第一です。もちろん、上場できないというリスクは存在しますが、それは自分にとってリスクというほどのものではないと感じたので、躊躇なく申し込みをしました。
このサービスは一見すると“資本主義の民主化”という理想を掲げているように見えます。同時に、日経新聞が報じた「従業員を資本家に」という企業の姿勢とも重なります。これまでの「資本と労働の分断」を超える新しい企業像を提示しているかのようです。
たとえば「従業員持ち株制度」。表面的には“従業員が企業のオーナーシップを持つ”という、聞こえの良い制度です。しかし実態としては、賃上げの代替策、すなわち“報酬の先送り”という構造をもっています。「給与で払うと経費になるが、株で持たせれば支出を繰り延べられる」。これが経営の合理です。この合理性を否定する必要はありませんが、それを「共感経営」や「分かち合い」と言い換えてしまうと、話が違ってきます。
「言葉の美化が、経営のリアリティを曇らせる」ということになるのではないでしょうか?株を持たせたところで、株価を上げる意思決定には、現場の社員が関与できない構造は変わりません。それなのに「あなたもオーナーです」と言われても、それは“気分としての資本家”に過ぎません。ここにあるのは、「所有」と「経営」の分断ではなく、「責任」と「報酬」の分断です。
一方で、前澤氏の「国民総株主」という発想は、その分断を社会レベルで溶かそうとする試みでもあります。株主という言葉を“金融”の文脈から“社会参加”の文脈に移し替えようとしている。この発想は、「好きなことに一生懸命」型の思考です。つまり、“合理性と情熱の一致”を目指す方向にあるように思えます。
理念を現実にするには、“誰がどのようにリスクを取るか”の設計がすべてです。国民総株主というのは、「国民全員にリスクを分散する仕組み」なのか、「リスクを見えなくする装置」なのか。この線引きこそ、ビジネスの生命線です。
要するに、「従業員を資本家に」「国民を株主に」という発想は、資本主義の“分配”ではなく“責任”の問題と思うのです。お金をどう分けるかよりも、リスクと判断の重みをどう共有するか。
そこに本当の“経営の物語”を見るのではないでしょうか?
2025.10.18
早朝のウォーキングと金木星の香り
朝の空気には、理屈抜きの説得力がございます。特に、今の季節。秋の入口に差しかかるこの時期は、早朝のウォーキングをしていると、肌を撫でる風が「今日も動き出そう」と背中を押してくれる感じがします。しばらく暑さにカマかけて、ウォーキングをしていませんでした。ところが、三日前からなぜか、気分がウォーキングへと駆り立てました。そして、街路樹の間から漂ってくる金木犀の香りは、その背中をさらにそっと押す“追い風”のようなものです。
ビジネスの世界では「見える成果」が重視されます。しかし本当に価値を生むのは、数字では測れない“におい”のような部分です。信頼、雰囲気、安心感。それらは金木犀の香りと同じく、目には見えませんが、確かに存在し、人の心を動かします。
早朝のウォーキングは、自分の思考を整える最良の時間だとあらためて感じます。スマホも会議もない。世界がまだ目を覚ます前に、静かに自分と向き合える。その中で漂う金木犀の香りが、「急がなくてもいいぞ!」と語りかけてきます。スピードや効率を追うだけが前進ではない。しばし立ち止まり、考えることもまた、前に進むための重要な一歩なのです。
仕事でも人生でも、成果を急ぐあまり、「香りのない行動」をしていないだろうか。金木犀のように、控えめでありながら、確かに周囲に良い影響を与える存在。そんな“香りのある働き方”をしたいと思います。
ウォーキングを終えて振り返ると、金木犀の木が朝陽を受けて黄金色に光っていました。あの香りのように、静かに、しかし確実に誰かの一日を豊かにする、そんな仕事をしていきたい。